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「いいなぁ」について

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「いいなぁ」

 

という一言。

 

 「なぁ」に強さが置かれた

羨ましい時に使う「いいなぁ」

  

 

この一言について少し考えてみた。

 

 

なぜ考えてみたかというと

よく私が言われるからだ。

  

 

いつ言われるかというと、

  

私が「今大学院に行っている」

と言うときだ。

  

 

大学院の友人が私に言った。

「私、自分が『大学院に行ってる』と言うと、

友達から『いいなぁ』と言われるのに無性に腹が立つ」

  

 

どうやら「いいなぁ」と言われるのは

私だけではないらしい。

 

 

私は別に腹は立たない。

 

 

でも「いいなぁ」という一言を言われる度、

それがどちらの「いいなぁ」なのか、

区別することはできる。

  

一つ目の「いいなぁ」は、

「いいなぁ、私も実はもっと知りたいことがあるの。

自分でそれを探ってみたいの。」

 

二つ目の「いいなぁ」は、

「いいなぁ、私も学生に戻りたい。」

 

 

ほとんどの「いいなぁ」は

後者の「いいなぁ」だ。

別に直接的に「いいなぁ」の後に続く言葉を言わずとも

 

前後の会話や

その相手の人となりや物事に対する考え方で

どちらの「いいなぁ」なのかは分かる。

 

 

どちらの「いいなぁ」も本気で

私のことを羨ましがってくれているのは

ひしひしと伝わる(特に後者)。

 

 

 

前者の「いいなぁ」は

学んでいることを羨ましがってくれていて

後者の「いいなぁ」は

働いていないことを羨ましがってくれている。

 

 

羨ましがるポイントがどこだって

それは個人のことなのでなんでも良いけれど

その全然違う「いいなぁ」の差は

聞いただけですぐ分かる。

 

 

 

先ほどの私の大学院の友人が腹立ってしまったのは多分、

後者の「いいなぁ」を言われてしまったからだ。

 

 

 

彼女の気持ちがスッキリするほど彼女の代弁をしてあげると、

 

「そう言うなら、やったら?」

 

 

と、言いたいところ。

 

 

(彼女だけ悪者にしてしまいたくないので

これは私の心の声でもある。と書いておく)

 

 

 

もちろん

大学時代は皆がみな遊び明かしていた訳じゃないし、

そもそも大学の時に遊ぶことの何がだめなのかも分からない。

 

 

私自身も大学時代は、本当に何も考えずに

流れるように授業に行って、友達と会って、サークルして、バイトしていた。

 

 

自分もそうだったからこそ、今思うのだ。

 

「大学院はあなたたちの大学時代みたいに遊ぶ場所じゃない」

 

そう思って、腹が立ってしまうのだ。

  

 

小さな一言にへそを曲げて、楯突いているように聞こえてもいい

正社員として働いていないことに対して悪あがきしているように聞こえてもいい

 

とどのつまり、

 

大学と大学院を同じような場所とは

あまり考えて欲しくない。

 

と思ってしまうのだ。

 

 

 

ふと

逆のことを考えてみた。

 

私は、今会社で働いている友人達に対して、

「いいなぁ」と言おうとは思わない。

 

 

なぜならその仕事がとても大変なことが分かるし

(そこに居ないから分からないけれど想像するだけでも。)

 

そしてそもそも、みんなの肩には、

私が2年間経験したこととは全く種類の異なる負荷がかかっているはずで、

それを今は受けて立とうと思わない。

自分の領域とは全然違う、手に届かないことをしているかもしれないし、

 

もはや「いいなぁ」もなにも、

そんな言葉は出てこない。

 

 

だから、

簡単に放された「いいなぁ」という言葉の中には、

 

なんとなく

 

「私にだってできる」という

(別に思ってもないことだと思うけれど)

見えない心の気持ちが覗いてしまうのだ。

 

言われた相手を思いやる、尊敬する、

そういう心が見えないのだ。

 

 

自分がいる領域はもう疲れたから、

手が届くあなたの領域に自分は行きたい。

もはや、逃げたい。

 

 

と、そんな風に

聞こえるときがあったりするのだ。

 

 

 もう一度強調しておくけれど、もちろん、

「いいなぁ」と言う全員がそう聞こえるわけではない。

簡単に放された「いいなぁ」だけだ。

 

 

「いいなぁ」という言葉はとても難しい。

褒めているように聞こえて

褒めているときと褒めてないときがあったりする。

 

 

私も今まで幾度も、二つ目の「いいなぁ」を

簡単に、適当に言ってきてしまったかもしれない。

これからは「いいなぁ」というとき一息吸って考えようと思う。

 

 

なんだかこれだと大学院が随分苦しいところに聞こえるけれど、、

(これは、また今度書きたいけれど)

 

大学院は、確かに、正直とても大変で、

それでもなぜか本当に楽しくて、

自分を大きくしてくれるところなのだと思った。

(でもそれは大学院に限ったことでなくて、

どこの環境でもそういう人はそうなはず) 

 

 

 

これを読んでしまった友達が、

もう二度と私に「いいなぁ」と言ってくれないのではないかと、

どきどきしてきた。

 

 

 

みんな、

 

 

私ね、

この1月にニューヨークに行ったんだ。

それで2月は伊香保温泉に行って、

3月はベトナムに行くんだ。

 

 

 

いいんだよ、言ってくれても、一言。